ジャニーズ事務所の圧力問題、”ついに”報道される

ついに公正取引委員会が出てくる事態となりました。
“ジャニーズ事務所から圧力” 民放テレビ関係者が公取に証言(NHK)

ですが、そこそこ芸能界に詳しい人にとっては、「知ってた」「なんで今さら?」でしょう。

『ジャニーズの圧力』の歴史を振り返ってみよう

この問題については、文春をはじめ、サイゾー、鹿砦社などが何度も報じてきました。ここでは、一番奇麗にまとまっている『サイゾー 2004年10月号』の記事で振り返ってみましょう。

ジャニーズ事務所の圧力, DA PUMP, w-inds.

これが視聴率至上主義の民放になると、スポンサーの問題なども加わり、そのジャニタレ優遇ぶりはさらに露骨になる。なかでも「若手アイドルグループ」の分野で競合するライバルタレントには、容赦ない”圧力”が加えられるという。

「特に気を使うのが共演者のキャスティングです。歌番組では、ジャニーズ以外の男性アイドルグループをブッキングすると、すぐ『あのグループが出るなら、ウチのタレントは出さない』ですからね。デビュー当時のDA PUMPやw-inds.といったヴィジョンファクトリー(旧ライジングプロ)所属タレントは、KinKiのデビュー時期や嵐に注力していた時期にかぶったこともあって、この手で何度も番組を降ろされていた」(民放ディレクター)

DA PUMPのデビューは1996年ですから、少なくとも20年はこの問題が放置されてきたことになります。雑誌で報じられ始めたのは、遅くとも15年以上前です。

ジャニーズは独占禁止法のどこに抵触の恐れありとされたのか

独禁法でどんな取引が禁止されているかについては、公正取引委員会のサイト『私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律』の「この法律において「不公正な取引方法」とは」以降に記載があります。
もう少し解り易くか書かれているページは『不公正な取引方法』です。

これまでのジャニーズの動きを見ていると、「抱き合わせ販売等」「排他条件付取引」「拘束条件付取引」には引っかかりそうです。が、今回問題となったのはこれでしょう。↓

(排他条件付取引)
11 不当に、相手方が競争者と取引しないことを条件として当該相手方と取引し、競争者の取引の機会を減少させるおそれがあること。

なぜ”今”問題となったのか

今回は、テレビ関係者が公取委に証言したことで事態が動きました。では、なぜ今まで黙っていたのでしょう?
ぶっちゃけて言えば、今までは公取委に持ち込むメリットが皆無だったからだと思います。

例えば、ジャニーズの圧力で、人気のある、またはこれからブレイクしそうな芸能人を、番組に出せなかったとしましょう。でも、他の局も同じ状況ですから、それをもって他局との競争に負けるわけではありません

一方、「圧力を受けた」と告発したとします。その局に対し、ジャニーズが人気タレントのオファーを全て断るようになったとしても、「スケジュールが合わない」「タレントにイメージと合わない」と言われれば、それ以上の追及は難しいでしょう。逆に、「なぜジャニタレを引き上げられるようなことをやったんだ」とスポンサーに糾弾されるのは目に見えています。人気が出るには、まず「知られている」ことが必要条件であり、事務所力によって露出を稼いできたジャニーズの人気が高いのは確かなことだからです。
いや、「確かなことだった」と言うべきでしょうか。

少なくともこの業界において、独禁法は、最大の被害者が訴え出ることのできないザル法だと思います。
そんな中で、なぜ今、公取委が動いたのかといえば、単純に、ジャニタレの人気や事務所の先行きに陰りが見えてきて、ジャニーズの圧力を受け入れるメリットよりデメリットを大きく感じるようになったからのように思います。要は、テレビ局側が「喋る気になった」と。
「稲垣吾郎氏、草彅剛氏、香取慎吾氏と仕事をしてきたスタッフが義憤に駆られて」という可能性もゼロではないと思いますが、嵐の活動停止決定、ジャニー喜多川氏が亡くなった後というタイミングを考えると、こういう損得勘定が働いた結果と見た方が良い気がします。

とすると、今回の件でテレビ局の体質が変わったわけではないということになります。

ジャニーズが去ってもメディアの忖度だんまり体質はなくならない

再び『サイゾー 2004年10月号』の記事に戻ります。
ここには、一般人にとってさらに重要なことが書かれています。「下らない芸能ネタじゃん」と思われるかもしれませんが、問題は、これが芸能ネタだけ、テレビだけに留まる保証はないということです。

ジャニーズ事務所の圧力

今日の有力メディアはメディア・コングロマリットの様相を呈しています。この構造の下では、TVのスポンサー企業や、広告を取り仕切る電通が「人々に知られるのを嫌がること」は、系列の新聞も雑誌も書けないということになります。

「日本は報道の自由度が低い」とさる筋から指摘があり、実際にそうだとメディアの中の人が不満を述べているようですが、自由度を低くしている最大の原因は、彼らの顔色を窺わざるを得ない体制にあるのではないでしょうか。
国家権力からの介入が激しいと感じるなら、それは、記者クラブなる謎の団体(笑)を作り、政治家や官僚が流してくれる情報に依存し、ろくに取材もせずに紙面を作っているからでしょう。

個人的には、もう、既存大手メディアに報道機関としての役目を期待するのは間違いだと思っています。問題は構造的なものであり、記者個人の根性でどうにかなるとも思えないからです。
そろそろ、情報の受け手自らが金を出し合って記者を雇うことを考えた方が良い気しますね。

ちなみに、ジャニー氏によるセクハラ疑惑の件は、ハリウッドでハーヴェイ・ワインスタイン氏の件があったばかりなので、ひょっとすると海外発で騒ぎになるかもしれません。身に覚えのあるお偉いさんは、そろそろ年貢の納め時かも?

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