ディープラーニングG検定の謎

本業に近いネタはやらない主義なのですが、イロイロと謎多き試験(笑)だったので今回は取り上げてみます。
JDLA Deep Learning for GENERAL(ディープラーニングG検定)』です。

最近のエライ人達は、AIという言葉が大好きです。
一部の方々は、「こっちは何もしなくても、面倒事全部引き受けてくれる夢のツール」的な期待をもって、別の方々は、「これで後れを取ったら負け組決定」的な焦りをもって、この言葉を口にしているという感じでしょうか。

でもって、エンジニアはというと、知識習得の必要性は感じつつも、激務に追われ、じっくり腰を据えて勉強ったってなかなかできない。
で、そういう人達が「とりあえず、効率よく基本が抑えられる方法は何か」と考えたときに選ぶのが、資格試験(より正確に言えば、資格試験に受かるための勉強)というヤツです。
大抵の方が、今まで資格試験をパスしてきた成功体験に基づいて対応するでしょう。でも、この試験、ちょっと特殊なんです。

合格ラインはじめ、様々な情報が非公開

この手の試験というのは大抵、合格ラインが公開され、試験終了後は自分の得点も知ることができます。CBT形式の試験では、分野ごとの得点も確認できるのが普通。
が、この試験の合格通知メールにはこんな文が…。

※得点および合格ラインは開示しておりません。
 あらかじめご承知おきください

え?全部非公開?
そうなんですね(笑)

そんなわけで、企業の採用担当者は、この検定の合格者がどの程度の知識を持っているか分からず、不合格となった人は、何が悪くて及第点が貰えなかったかも分からない

出題側の経験値がまだ低く、事前に合格ラインが決められないということなのかもしれませんが、『AIというバズワードに引っかかった企業から金吸い上げる為だけに存在する団体』と言われないためにも、もうちょっと情報公開した方が良いんじゃないでしょうか。

とりあえず、合格通知メール(2019年7月6日開催 JDLA Deep Learning for GENERAL 2019#2)に、これだけは書かれていました。↓
総受験者数 5,143名
合格者数 3,672名

全く参考にならないと思いますが(笑)、ご参考までに。

公式テキストは『まず最初に読む本』として不適切

大抵の資格試験は、「教本読んで、問題集解きまくって、なんか腑に落ちないと思った部分をネットや別の本で補強」で通ります。
ですが、この試験でそれをやろうとすると、第一歩でかなり無駄な時間を使うことになると思います。

まず、公式テキストのコレ↓
『深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト』
これが、読んでも見事なまでに頭に入ってこない(笑)。(その上、書いてないことが山ほどテストに出るわけですから、正直、これを公式テキストと呼ぶこと自体、謎過ぎます)

凡そ、理系ちゃんの頭は丸暗記には向いていないわけです。アイディアや技術ごとに『解決しようとした問題』『仕組み』『位置づけ(上位概念、下位概念、関連技術、利用分野etc.)』『効果』『残課題』といったものが頭の中で整理できないと、いくら勉強しても頭に残らない。
でも、公式テキストはとにかく用語の羅列という感じで、こういう部分をごく自然に推察できる記載が非常に少ないのです。
この“全然書いてないわけじゃない”というのが曲者で、うっかりすると、ちゃんと読みこめば分かってくるんじゃないかと思ってしまう。でも、そんなことはありません(笑)
いや、もしそんなことがあったとしても、別の本やサイトを見れば、「ああ」とすぐに理解できるわけですから、完全に時間の無駄遣い
あれは、一通り勉強した後に、勉強した内容を振り返るための用語集だと割り切った方が良いと思います。

公式テキストが使えないなら、何で埋め合わせるか

じゃあ、どうするのが良いかというと、個人的にやった方法はコレ。↓

  • 『はじめてのディープラーニング Pythonで学ぶニューラルネットワークとバックプロパゲーション』を読んで、機械学習のイメージを掴む
  • 『徹底攻略 ディープラーニングG検定 ジェネラリスト問題集』の解説部分をざっと読み、知っておくべき範囲を確認する
  • 同問題集をやってみて、「突っ込まれると実は分かってなかった」部分を確認する
  • どうにもイメージが掴めないところがあったら、ググって、そのスジのサイト様に教えていただく
  • AIに関するニュースをウォッチする(※単純知識レベルでも、公式テキストに書いてある内容しか知らないと危ないと思います)
  • AI白書をKindle買いして読む(紙の本は高いので注意)
  • GANを提案した某氏の『深層学習』を読んでみる(紙の本は超高いので注意!)

とりあえずこれだけやったら、問題半分ぐらい解いたところで「よし、貰った」と思えました。
ちなみに、最後の二項目は完全に余計だったと思います。
というか、あの合格率見たら「ダメかも」って思っても結局は受かりそうな気も…(笑)

試験中の「本見ていい」「ググり放題」をアテにしてはいけない

たいていのCBT形式のテストは、荷物を取り上げられて小部屋に放り込まれ、パーティションで仕切られた机の前に座って受験します。
が、このテストは、本は見放題、検索もし放題です。
と聞くと、「じゃあ知識問題はググりゃいいじゃん」と思われるかもしれませんが、問題数226問+ニュース系問題多数という事実をナメてはいけません。ナメると多分、ものすごくドキドキする羽目になると思います。本に書いてあるような問題は3秒で潰し、余った時間はニュースネタの検索に充てるのが吉でしょう。

受験者は、別分野が専門のエンジニアが多いでしょうから、どうしても技術的なネタに目が行きがちですが、これは”ジェネラリスト”検定です。
技術的な内容は、設問のごく一部で、本に書かれていないような世界の動きも、当然試験範囲になります。とくに法律系や団体の動きは重要
Google先生をアテにするのは、こういう「どうせテスト前に全部は憶えきれない」分野に絞るべきだと思います。

以上、ご参考までに。

11 Replies to “ディープラーニングG検定の謎”

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