アメリカ大統領選、トランプとバイデンどちらが勝つか分かりませんが、トランプを「社会を分断させた!」と糾弾してきた民主党が本当に分断の解消を願っていたとしたら、戦い方が間違っていたのは明白でしょう。
相手の利害を考慮せず、軽蔑をベースにした説得は必ず失敗する
まったくもって私事ですが、私は今まで、これで随分とアホな失敗を繰り返してきました(笑)
何か問題に気づき、それを解消したい場合、大抵の人がまずこういう情報まとめるでしょう↓
- 顕在化している問題(具体的な被害)
- 真因の分析結果
- 真因が解消された”あるべき姿”と、現在の姿とのギャップ
- ギャップを埋めるための方策と、必要なコスト・人的資源等
問題はその後です。
これが自分に閉じた問題でなく、組織がらみになってくると非常にややこしいことになります。
「カリスマ社長が強権発動」タイプの会社であれば、社長に説明してOKが出れば即実行となるでしょうが、殆どの会社では、組織間の折衝となります。相手に納得して受け入れて貰わなければ何も動きません。
で、相手に、上のような情報をそのままぶつけ、協力を仰いだらどうなるでしょう?
まず間違いなく、話を聞いて貰えないと思います(笑)
理由は簡単、相手の利害に対する配慮が一切ないこと、そして、「否定」から入っているために相手が反論モードに入ってしまうことです。
「実情を知らない、頭でっかちな部外者が、上から目線で説教している」「反対に叩き潰してやろう」と思われたら、もう何を言っても望む結果は得られません。
相手の利害を分析する
あなたのスバラシイ提案は、よほど相手が無能でない限り、相手の脳裏にも一度は過ったことがある筈です。でも相手がそれを実行に移さなかったのは、ぶっちゃけ、それをする動機が存在しなかったからです。
それは、目の前の別の仕事だったり、会社の評価制度であったり、部署の特殊事情だったり、色々です。勿論、提案が実際に役に立たないという場合もあるでしょう。
大抵の場合、相手は愚かだから受け入れないのではなく、自分の利益にならないから受け入れない。
何か提案する場合、「相手にとっての”利益”を必ず用意し、それを説明できるようにしておく」というのは必須条件です。
どうしても用意できない場合は、話す相手を変えなければなりません。
こういうことをせず、内心で他人を「あいつは意識が低い」と見下し、”交渉決裂”という自分の失敗を反省しないでいると、また同じ失敗を繰り返してしまいます。
米民主党は再び「愚民を教育してやる」の愚を犯した
民主党寄りの人々とマスコミは、トランプを支持する人達を「扇動に乗りやすい愚かな人たち」「差別主義者」と決めつけ、批判してきたように見えます。
しかし、彼らの見方は本当に正しいのでしょうか。
私には、↓こういった人々の”利害”に目を向けず、上から目線で”教育”を続けた結果、より分断が深まったように思えてなりません。
- 不法移民増加による賃下げ圧力に怯える労働者
- グリーン・ディールで冷や飯を食うことが確実な業界の経営者・労働者
- 対中関税・サプライチェーンからの中国外しで、仕事が戻りつつある業界の経営者・労働者
- オバマ時代の部品調達多様化規制で、規格の緩い外国製(主に中国)部品を使わざるを得なくなり、苦労したメーカー
- BLMの暴動に対する民主党系知事の対応(主に暴動側擁護、警官非難、警察予算削減に前向き)に治安悪化の懸念を抱いている人々
- Twitter社による言論統制への対応で、民主党政権下の言論の自由に不安を感じた人々
- 中国による南沙諸島軍事拠点化を黙認した民主党の対中政策を見て、「アメリカ安全保障って大丈夫?」と不安になった人々
- ペンス副大統領の演説(@ハドソン研究所)を聞いて、「人権も公平な競争もナニそれ」な中国共産党による世界制覇を止める気があるのは共和党だけだと感じた人々
彼らの話を「鼻で笑って聞かない」という行為を続ければ、確実に治安問題や経済の停滞となって返ってくると思うんですよね。(下手すりゃ州に独立の動きまで出て、合衆国がバラバラになりかねない)
それがアメリカ独立宣言にも書かれた摂理(divine Providence)ってもんじゃないでしょうか。
一リーマンも民主党も(レベル違い過ぎですが(笑))、自説の正しさを意地になって叫び続けるより、あるがままに事実を受け止め、摂理にかなう生き方をした方が、ずっと楽で得るものも大きいような気がします。
43 Replies to “アメリカ民主党の”失敗”から日本のリーマンが学べること”
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