最近、トーハクさんのヲタ理解度がちょっと怖い(笑)
『京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ』では、六観音菩薩像だけでなく十大弟子立像まで引っ張ってきて「千本釈迦堂的に観光収入大丈夫?」という感じでしたし、快慶・定慶展でも、仁和寺展でも、ヲタが泣いて喜ぶ「フラッシュ無しなら写真OK」コーナーを準備。
運慶展では、完璧すぎる照明で興福寺南円堂多門天さんのスバラシサをアピールし、無著さんの確実に魂入ってる的恐ろしさを演出。
そして、今回もやってくれました。
GWだというのに、東寺さんの講堂を殆ど空っぽにする暴挙!(笑)
その上、帝釈天騎象像撮影会(笑)
本来の配置をあえて崩し、別コーナーに設置してあるので、もう、いろんな角度・距離から撮りたい放題です。(ただし、フラッシュはお像を痛めるので絶対にお止めください)
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梵天、不動明王といったスター選手が欠けてる点は前回の企画展に対してちょい物足りない気はしますが、あの病的なまでに完璧な照明で、どのお方も存在感が際立つ仕上がりになっていますので、「東寺なんてもう何十回も行ったよ」という方も行って損はないかと思います。
単に教えを可視化するだけなら、あんなにリアルな像にする必要なんてこれっぽちもないと思うわけですが、悟った人間に頭の中を覗かれてる恐怖とか、人と目が合った瞬間に感じる”向こうの意識と繋がる感じ”とか、そういう強烈な印象によって学びの契機を得るには、やっぱりああいうリアルな像が最強ですよね。
でも、東寺さんの通常運転では、”暗がりにごたごたとお像が並んでいる”という感じで、今ひとつ心にグッサリ来る感じがない。
その辺りを、この機会に体験されるのも良いんじゃないかと…。
お子様連れの方は、踏みつけられてる邪鬼さん、大自在天さん、烏摩妃さん、地天女さんなどの予習も忘れずに(笑)。
目線が近い所為か、見た目が印象的なせいか、ものすごく質問してるお子さんが多かったです。
展示が全体に「解説読む前にてめぇで感じろ!」的なものになっていて、詳しい説明版は像から離れたところに固まってあるため、現場ではカンニングできません。
そして、降三世明王さんの後ろの顔も忘れずチェック。
ちなみに、お像の美しさという点では、増長天さんや、左横から見た金剛宝菩薩さんもなかなかです。
四天王像については、「東大寺戒壇院の広目天さん最強」は譲れませんが(笑)、こちらの増長天さんは、よくある脳筋タイプの増長天さんとは違って、静謐で凛として、生き方が男前な感じです。毎日一回、三叉戟のレプリカ持って、あの立ち方真似したら、自己暗示で凄い人生送れそう…(笑)
余談ですが、こちらは仁和寺展で撮った迦楼羅さん。
「フラッシュ無しなら、撮影OK」は今後とも続けていただきたいですね。
海外の博物館、美術館って、観光客で常にごった返してるところも含めて殆どのところがOKですよね? NGである合理的な理由ってのが思いつかないんですが…。
まさか、「SNSやブログで見たのが切っ掛けで行く気になった」人や、「写真見て思い出すだけで元気貰える」人より、「誰かが上げた写真見たから、自分で見に行かなくていいや」な人の方が多いとか、時代錯誤な勘違いしてないですよね(笑)