梅棒 7th ATTACK『ピカイチ!』見学会報告その3【レポ・感想】

こんにちは。赤坂です。先週は落書きのみでしたので、一応後追いでレポを…。
なお、ざっくりとした感想は前々回に書きましたので、そちらも併せてどうぞ。

あらすじ

舞台は、ファンキーな校長=卓馬董一郎(伊藤今人)率いる青梅英雄学園。(ちなみに、この校長の長い長い(笑)前説で、怪奇現象の噂が広まっていること、女子生徒の荷物が荒らされていることが明かされるのですが、これは両方とも伏線です)
季節は、これから生徒会長選が始まろうという次期。このタイミングで、やたらとスカした転校生・豪徳寺孟(千葉涼平)がやってきます。

梅棒『ピカイチ!』千葉涼平

顔と頭で一気に注目を集めた彼は、生徒会長にも立候補する気満々。
ヘタレ男子=道玄坂光徳(鶴野輝一)は、クラス一の美人=浅香尚子(吉川友)から立候補を勧められても煮え切らない態度を続けていましたが、浅香が豪徳寺を「カッコいい」と言うのを聞いて、対抗意識から多少(笑)やる気に。
「じゃあ、オレが生徒会長になったら、つ・・つき・・」と言いかけたところでなぜか「パンツくれよ」と、とんでもないお願いをしてしまいます。男前な(笑)浅香は呆れながらも承諾。

それを物陰で聞いていたヤンキーの片割れ=渕上気侯介(後藤健流)は、状況も会話の流れもぶっ飛ばし、「生徒会長になる」=「パンツが貰える」という超単純な図式で理解。それをみんなに言いふらします。
結果、男子のほぼ全員が立候補することに(笑)

豪徳寺は早速、腕っぷしと顔と頭でヤンキー二人&女子二人の支持を取り付けます。
(下記は、ヤンキー相手にオラついてる豪徳寺の図↓)

梅棒『ピカイチ!』千葉涼平『ごきげんだぜっ!』

野球部では、キャプテン=権田原孫八(塩野拓矢)はじめ全員が立候補し、部員同士の対立から解散の危機に見舞われますが、権田原が「野球部を犠牲にするぐらいならオレは降りる」という姿勢を取ったことから、逆に権田原支持で纏まります。
道玄坂は、浅香と親友二人、それから捨て身の懇願でヲタク=孔雀丸明(野田裕貴)の協力を取り付けます。

梅棒『ピカイチ!』孔雀丸明(野田裕貴)

しかし、選挙運動中に下痢を起こし、駆け込んだトイレでお札を落としたことで『トイレの雲子さん(魚地菜緒)』を呼び出してしまいます。(この下痢も後で考えれば「あー」なのですが…)

なんだかんだで楽勝モードではなくなったと見た豪徳寺は、かねてより『化ける要素あり!』と見ていた蝉時雨先生(suzuyaka)を呼び出します。そして彼女を、『ボンテージ系衣装に身を包んだ危ないお姉さん』に変貌させ、野球部のメンバーを次々と落としていきます。(とりあえず豪徳寺って、臨機応変すぎるだろ(笑))

梅棒『ピカイチ!』蝉時雨先生(suzuyaka)
(↑すんません、実際のお顔はもっと薄い感じです)

一方、自由の身になってしまった雲子さん。彼女は、熱血脳筋教師も逃げ出すパワー(ムーブ(笑))系妖怪なのですが、道玄坂にスリッパという超攻撃力の弱いアイテムで引っ叩かれたことで、道玄坂に惚れてしまいます。

梅棒『ピカイチ!』トイレの雲子さん(魚地菜緒)

時を同じくして、お札が剥がれた二宮金次郎像とピアノからは、二宮忠次郎(遠山晶司)超ベートーベン(遠藤誠)が出現。
雲子さんは、この二人の協力も得て道玄坂に強烈なアプローチを繰り返すのですが、道玄坂は浅香が好きなので最後は丁重にお断り。失意の雲子さんが、最後に耐えきれず抱き着いたことろに運悪く浅香が登場。

それを見て「ざまぁ」と大笑いする豪徳寺。
「オレに何の恨みがあるんだ?」というふうに詰め寄る道玄坂に、豪徳寺はついに『過去の恨み』を話します。
それは入学試験の時、豪徳寺が「飲んでみるか?」と差し出したドリンクを道玄坂が全部飲んでしまい、代わりに道玄坂が渡した牛乳にあたって試験に落ちたというものでした。
ちなみに、この下痢の原因は実は後ろに座っていた仮面の男が入れた薬で、それをやった理由は、ぶつかってノーパソを壊された恨み。(初めは、浅香狙いそうなライバル蹴落とすためかと思ってたんですが、よく見たらコレですよね)
そして、試験に落ちたのも、退席中にこの男に答案用紙をすり替えられたためでした。(渕上が、監督官が気付かないと見るや、すり替えた答案必死に写し始めたのには笑いました)

浅香に拒絶され、自暴自棄になった道玄坂は親友にも乱暴な態度をとって孤立するのですが、ここで道玄坂の助太刀に入ったのが孔雀丸。
彼は、モノノケ三人(雲子さん、超ベートーベン、忠次郎)を味方に引き入れ、彼らの票をカウントすることを校長に願い出て、認められます。
蝉時雨先生の尽力(笑)で支持者が自分一人になった権田原も、道玄坂支持に回ることを決め、これで8:8のイーブン。

この場面で孔雀丸が「そこまでだ!」と華麗に(笑)登場
「生徒会長を殴り合いで決めるなんて愚か。もうこの方法しかありません」
彼はそう言って、ジャンケンでの決着を提案。
両チームのメンバーが次々と勝負し、そしてラスト、道玄坂と豪徳寺の勝負。
道玄坂が勝った!と思った直後、何度か浅香の荷物を荒らしては逃げ切っていた仮面の男が現れて道玄坂に勝利。校長はうっかり彼に『私が生徒会長』タスキをかけてしまい、そこで、みんなが「ええっ!!」(笑)

勝ち誇ったように仮面を取った男は、なんと孔雀丸でした。
彼はお札でモノノケ達を操りますが、孔雀丸が『共通の敵』だと気付いた豪徳寺は、道玄坂に謝り、自分が雲子を抑えている隙に孔雀丸を追えと言います。
豪徳寺は雲子さんにボコボコにされるも、皆が浅香の投げたパンツ(笑)に気を取られている間に、孔雀丸の背後に回り、最後はぶん殴って勝負あり。
豪徳寺は生徒会長のタスキを道玄坂に投げ、道玄坂はパンツを豪徳寺に投げ、二人でお互いに拳を突き出します。(カッコイイ決めポーズなのに、握ってるのがパンツという…(笑))

全てが終わり、モノノケ達は本来の場所に帰っていきます。
孔雀丸は、みんなの荷物を持たされる三下の地位に転落しますが、浅香は返されたリコーダーで笑いながらぺしりと頭を叩き、豪徳寺は彼が落とした荷物を拾って「早く来いよ」というふうに笑い、とりあえずみんな仲間に戻って一件落着・・・というお話でした。

感想

前々回も書きましたが、この話、キャラ立ちが尋常じゃありません。
そして、心底イヤなヤツが一人も出ない。
そして、『役に徹する』と『自分のダンスのカッコイイところを出す』のバランスが絶妙
いやー、見てて気持ちのいい舞台でした。

ちなみにダンスの美しさで言えば、もうダントツに蝉時雨先生(suzuyakaさん)ですね。

ボンテージなお姉さんになってからのダンスも「付いていきます!」って感じですが、河村隆一の『Glass』踊ったときのふわりと儚げな感じも良かった。すっと動いてパッと止まった時の余韻がもう最高。

姿勢と指先の美しさでは楢木和也さん。ダンス講師に誰選ぶ?って言われたら間違いなくこの人(笑)

梅棒『ピカイチ!』江夏惇(楢木和也)

(スミマセン、ぜんぜん表現できてません…)
ちなみに、この人とヤンキーの片割れ=後藤健流さんは、ものすごく見覚えあります。結構いろんな舞台出てますよね。

トイレの雲子さん(魚地菜緒さん)は、「パワームーブはガテン系だけものじゃない!」と実感させられて、なかなか爽快でした。
しかし雲子さんて、リアルで生きてた時代は間違いなく地雷女だったと思うんですが、つい可愛いと思っちゃうタイプですよね。個人的には、バトル後に豪徳寺とくっついて欲しかった!(笑)

まあ、でも普通に可愛いといえばやっぱり橋本小春(MOMOCAさん)でしょう。へにゃっとした笑顔が超癒し系。意外と控えめなとところも感情移入されやすいポイントなんじゃないかと思います。どっちかといえばぽっちゃり体系なんですが、ダンスが敏捷でそのギャップも良いです。
YOUさんは、昔懐かしすぎるヤマンバメイクに騙されますが、ダンスは非常にカッコイイ。先入観ナシに観て欲しいですね。

野田裕貴さんは、元々どういう人なのかまるで分らないレベルに役に入り切る人ですね。でも、動きがピタリピタリと奇麗に決まっていて、別のダンスも見てみたくなるタイプです。

キャラ的に「惚れたぜ」と思ったのは、徳重翼(飯野高拓さん)
土下座しながら寝てしまう大物ぶりに、忠次郎に何のためらいもなく自分の靴を片方脱いで渡す太っ腹。
靴下だけになってしまった足下を見もせずに笑ってる彼は、間違いなく最強キャラでしょう。
世の中、「人よりも優れた強い人」ではなく「気にしない人」こそが最強なんだなと実感したシーンでした。

主人公の道玄坂は、誰が見ても最初からフラグ立ってるのに、浅香に対してはっきりした態度取らないところは、正直、見ててイラっと来ました(笑)。本気で浅香に同情しましたよ。(あんなに健気にアプローチしてるのに…)
ただ、演じてる鶴野さんについては、自暴自棄になった後のちょっとモダンバレエ的なダンスは奇麗でしたね。

そして千葉涼平氏。今回はクセの強い役で、いわゆる『おいしい悪役』です。
吉川さんが、事務所の方針なのか何なのか、フツー過ぎる役をやらされてちょっと可哀そうだったのとは対照的に、実にのびのびとやってる印象でした。

梅棒『ピカイチ!』豪徳寺孟(千葉涼平)

「間と空気で笑わせる」的な彼一流の笑いではないのですが、「誰が見ても笑っちゃう」という感じの力技は見てて心底楽しめました。
コメディ&若年層の役は、この人、とんでもなくハマりますね。
個人的にはパワームーブ系ってあんまり興味ないんですが(スミマセン)、ああいう技をサラッと使えると、オーバーアクション系のコメディにはすごく有利なんだなと感じました。小柄で動きが若いのも、ああいう役をやるには有利ですよね。
ただ、ジャズ畑の人と一緒に出ると、どうしても思っちゃうのが「姿勢良くないよね」という・・・。(まあ、w-inds.ツアーに参加してるガチ系ダンサーさん達はもっと悪いけど←言っちゃったよ)
そろそろ年も年なんで、奇麗な立ち踊りにも力入れて欲しい今日この頃です。

とりあえず、今まで見た中では、総合的に一番満足度の高い舞台でした。
校歌とか、Dragon Ashの『Deep Impact』とか、マキシマム ザ ホルモンの『予襲復讐』とか、RIP SLYMEの『One』とか、とにかくインパクト強すぎの曲オンバレードだったので、仕事中でも脳内で音が鳴りやまないのは正直きつかったですけど・・・。(とくに校歌はアレンジ変えて何度も出てくるので、正直、刷り込みがハンパないです)

もうすぐw-inds.ツアーがあるからって今回パスした皆さんは、天変地異級の後悔に襲われてください(笑)
それではまた。